日本の社会で孤独を感じている子どもは、3人に1人いると言われています。
あなたは、地域に住む子どもたちの名前を何人知っていますか?
笑顔で挨拶をしてくれる子どもがいれば、「元気な良い子」だと私たちは安心しています。
ただその子どもが悲しそうな顔をしている時、辛そうな顔をしていた時、私たちは気づき、話しかけることができているでしょうか。
そして、実際に「どうしたの?」と、声をかけたとき、相談してくれるだけの信頼関係がなければ、きっと笑顔と共にごまかされてしまします。
それはその子にとって、私たち大人が「信頼のできる人」ではなく、ただ「笑顔で挨拶を返さないといけない人」になってしまっているからではないでしょうか。
逆に子どもたちは、何人の大人を知っているでしょうか。
親や親戚、学校や習い事の先生、実際に子どもに数えてもらってみると、両手で足りてしまいます。
中には片手分の人数しかいない子もいます。
皆さんが子どもの頃、何人の大人を知っていましたか?
近年、子ども達は地域に住んでいるけれど、地域コミュニティの中に入ることが出来ていない子が増えています。地域から孤立し、孤独を抱えるのではなく、私たち大人が子どもの存在に目を向け、子どもの声を聴き、子どもに寄り添っていくことでしか、現状を変えていくことはできないのではないでしょうか。
このような現状から、私たちは「子どもが地域からおいてきぼりにならない社会」を目指して、様々なコミュニティを生み出すことで、地域の中に子どもたちが安心して過ごすことのできる場づくりを行っています。
この先、私たちの「どうしたの?」に返ってくる声は、「大丈夫です」ではないかもしれない。
笑顔ではないかもしれません。
そんな重たい"事実"を大人が一緒に背負い、子どもたちを守らなくてはいけません。
実際に”孤立し孤独を感じている子ども”を思い浮かべてみて下さい。
子ども1人が抱え続けるには重すぎる課題ではないでしょうか。
1989年 滋賀県出身。
大谷大学 文学部 社会学科 臨床心理学コース卒業。
中学卒業後、高校へは進学せず淡路島で農業をして過ごす。 その後、大阪にある應典院で小僧インターン生として仏教を学び、仏教を日常に活かすための語り場「ブッダカフェ」を実施。 また、奈良の薬師寺にて小学生から大学生まで100名ほど集まる寺子屋の運営スタッフも経験。
2010年に寺子屋共育NPO轍‐わだち‐を設立、2012年4月に法人化。共に育む教育を目指して活動中。